当事務所では藤沢市を中心に相続の無料相談をいただいております。
その中で親に借金があったため相続放棄をしたいが、親の不動産(実家)は手放したくないというご相談をいただきましたので、今回は実際の事例を元に解決方法を司法書士が解説します。
ご相談者様のご状況
X(親)さんが亡くなり、依頼者のAさんとその弟のBさんが相続することになりました。
しかし、BさんとXさんは仲が悪く、連絡が取れない状況が続いていました。
Xさんには、財産として、自宅の土地と建物があるだけで、預貯金は全くありませんでした。
さらに、遺品を整理したところ、Xさんが事業の為に契約した、高額なリース費用の請求書が発見されました。ただ、債権者からの催促は全くなく、Aさんとしては不気味に感じていました。
せめて自宅の土地建物だけは守りたいが、場合によっては相続放棄もやむを得ないということで、この度相談に来られました。
藤沢・鎌倉相続遺言相談プラザのサポート
Xさんが残した多額の借金から解放するのに、相続放棄は役に立ちます。
しかし、不動産は相続するが借金は放棄したいという理由で相続放棄をすることはできません。
もし、Aさんが相続放棄をしたにも関わらず、Xさんの自宅の土地建物を相続してしまうと、相続放棄をしなかったことになり、Xさんが残した借金を背負う羽目になってしまいます。
そこで、催促の連絡がないままの借金について、時効で消滅したことを主張する方法を取ることにしました。
民法の規定によりますと、借金の返還を催促できることを債権者が把握しているのにも関わらず、5年間も催促の連絡をしなかった場合や、催促できるのにも関わらず、10年間も何のアクションを起こさなかった場合には、借金は消えてなくなることになります。
Aさんによりますと、最後に催促の連絡があったのが5年以上も前とのことで、債権者としても借金の存在を把握しているのにもかかわらず何も連絡をしてこなかったことから、債権者に時効で消滅したことを連絡することにしました。
これによって、Xさんが残した多額の借金を受け継がずに済むことができました。
後は、自宅不動産の相続登記ですが、その後、Bさんより「不動産は要らないから、生活費分のお金だけ送って欲しい」という連絡があったため、その旨の書面を作成し、Bさんからの署名と捺印を頂いた上で、相続登記手続を申請しました。
このようにして、相続放棄をすることなく、自宅の土地建物を守ることができました。
相続放棄は、借金から逃れるためには有効な手段ですが、プラスの財産まで失うリスクもあります。
そこで、プラスの財産を守りつつ、借金から逃れるためには、相続放棄以外の方法を取る必要があります。
当プラザでは、相続放棄以外の方法で、故人の借金から逃れる方法を案内することも可能です。ぜひ一度、相談にご来所頂けますと幸いです。
当プラザの無料相談はコチラから詳細をご確認いただけます。
この記事を担当した司法書士

トラスティ藤沢司法事務所
代表
山脇和実
- 保有資格
司法書士、宅地建物取引士
- 専門分野
-
相続・遺言・生前対策・民事信託・不動産売買
- 経歴
-
司法書士事務所での10年の経験を経て独立し、トラスティ藤沢司法事務所の代表を務める。「相続は、亡くなった方の思いを推し量ろう」、「相続は、和をもって尊しとなすが大事」、「完全無欠な平等は不可能、遺産分けは互譲が必要」をモットーに、依頼者の内にある悩み要望を推し量り、顧客満足に繋がるよう努めている。また、勤務時代を含めて担当した相続・売買案件は3000件以上に上り、相談者からの信頼も厚い。
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