財産管理委任契約

成年後見制度は、判断能力の減退があった場合に利用できるものであり、任意後見制度は、事前に契約があった場合でもやはり判断能力の減退があり、さらには家庭裁判所により任意後見監督人が選任されて初めて効力が生じます。

財産管理委任契約は、判断能力の問題に関係なく、家庭裁判所の関与も必要とせずに、今すぐ財産管理を開始してもらいたい場合に有効な方法です。

財産管理委任契約の特徴は、

 

●当事者間の合意のみで効力が生じる
●内容を自由に定めることが出来る

ということでしょう。

財産管理委任契約のメリット

・判断能力が不十分とはいえない場合でも利用できる

・開始時期や内容を自由に決められる

・本人の判断能力が減退しても、契約は当然に終了せず、特約で死後の
処理を委任することも可能

財産管理委任契約のデメリット

・任意後見契約と異なり、公正証書が作成されるわけではなく、後見登記もされないため、社会的信用が十分とはいえない

・任意後見制度における任意後見監督人のような公的監督者がいないため、委任された人をチェックすることが難しい

・成年後見制度のような取消権はない

以上のことをしっかりとおさえたうえで、財産管理委任契約の判断をしましょう。

この記事を担当した司法書士

トラスティ藤沢司法事務所

代表

山脇和実

保有資格

司法書士、宅地建物取引士

専門分野

相続・遺言・生前対策・民事信託・不動産売買

経歴

司法書士事務所での10年の経験を経て独立し、トラスティ藤沢司法事務所の代表を務める。「相続は、亡くなった方の思いを推し量ろう」、「相続は、和をもって尊しとなすが大事」、「完全無欠な平等は不可能、遺産分けは互譲が必要」をモットーに、依頼者の内にある悩み要望を推し量り、顧客満足に繋がるよう努めている。また、勤務時代を含めて担当した相続・売買案件は3000件以上に上り、相談者からの信頼も厚い。


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