相続は、一生のうちに何度も経験することではありません。
いざ手続きを始めようとすると、想像以上の手間と時間に驚かれる方も多いでしょう。
特に相続人が遠方に住んでいる場合、その負担はさらに増大します。
ここでは、遠方の相続人がいるケースについて当プラザでスムーズに預貯金の解約を進めた事例をご紹介します。
当プラザでは湘南エリア(藤沢市・鎌倉市)を中心に神奈川県全域から多数のご相談いただいております。
少しでも相続にお困りの方は是非お気軽に無料相談をご利用ください。
1. 遠方の相続人が直面する「手続きの壁」
Aさんのケースでは、相続人は妻、長男Aさん、次男Bさんの3名です。
全員が異なる地域に住んでおり、頻繁に集まって話し合うことは困難でした。
このように相続人が離れて暮らしている場合、以下の点が大きなハードルとなります。
書類の郵送リレー
実印の押印や署名を何度も郵送でやり取りする必要があります。
書類の不備
一箇所でも間違いがあると、再度全員に書類を回さなければならなりません。
平日の対応
銀行窓口は平日の日中しか開いておらず、仕事している相続人には手続きの負担が大きいです。
2. 預貯金の解約に必要な「膨大な書類」とは?
Aさんは当初、自身で手続きを行おうと、実家で見つかった10冊の通帳をもとに各銀行へ連絡しました。
しかし、そこで突きつけられたのは「戸籍収集」という高い壁でした。
銀行の解約手続きには、一般的に以下の書類が必要です。
・被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
・相続人全員の現在の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書
・遺産分割協議書(または銀行指定の払戻請求書)
特に「出生から死亡までの戸籍」は、転籍を繰り返している場合、全国の役所から取り寄せなければならず、慣れない方には非常に困難な作業です。
3. 効率を劇的に変える「法定相続情報証明制度」の活用
手続きの煩雑さに直面したAさんは、相続手続きの当プラザの司法書士に相談いただきました。
そこでまずは法定相続情報の取得を行いました。
■ 法務局での法定相続情報とは?
法務局に戸籍一式を提出し、登記官が内容を確認した上で「相続関係を証明する一覧図」を発行してくれる制度です。
この方法で相続手続きを進めるメリット
法定相続情報を元に銀行での相続手続き(預貯金の解約)を進めるメリットは下記の3つになります。
戸籍の束を持ち歩かなくて済む
銀行ごとに分厚い戸籍一式を出す必要がなく、紙1枚(証明書)で済みます。
同時並行で手続きが可能
証明書は複数枚取得できるため、10件ある銀行手続きを同時に進められ、大幅な時短になります。
審査がスムーズ
法務局が認証済みのため、銀行側の確認作業も早まります。
4. 司法書士に依頼することで得られる3つの安心
Aさんのケースでは、司法書士が代理人となることで、以下の業務をすべてワンストップで代行しました。
遺産分割協議書の作成
後のトラブルを防ぐため、法的に有効な書類を作成しました。
戸籍収集・法定相続情報の取得
面倒な役所とのやり取りをすべて代行したことで、手続きにかかる作業時間を大幅に削減することができました。
銀行への払い戻し請求
司法書士が代理人として各銀行と交渉・手続きを行い、回収した預金を正確に各相続人へ分配。
5. まとめ:負担を減らし、円満な相続を
相続人が遠方に住んでいる、または通帳の数が多い場合、個人で手続きを進めるのは限界があります。
無理をして進めようとすると、相続人間での連絡漏れや手続きの遅延から、思わぬトラブルに発展することもあります。
「銀行手続きを任せたい」「戸籍収集をお願いしたい」といったご相談から、相続手続きを全て丸投げしたいというご相談まで、広く承っております。
まずは司法書士に相談し、状況を整理することから始めてみてはいかがでしょうか。
この記事を担当した司法書士

トラスティ藤沢司法事務所
代表
山脇和実
- 保有資格
司法書士、宅地建物取引士
- 専門分野
-
相続・遺言・生前対策・民事信託・不動産売買
- 経歴
-
司法書士事務所での10年の経験を経て独立し、トラスティ藤沢司法事務所の代表を務める。「相続は、亡くなった方の思いを推し量ろう」、「相続は、和をもって尊しとなすが大事」、「完全無欠な平等は不可能、遺産分けは互譲が必要」をモットーに、依頼者の内にある悩み要望を推し量り、顧客満足に繋がるよう努めている。また、勤務時代を含めて担当した相続・売買案件は3000件以上に上り、相談者からの信頼も厚い。
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