解決事例8

 

騙されて他人名義に変えられた土地の名義を取り戻した事例/横浜市(弁護士との共同)

状況

田中さん(仮名:90歳)は、詐欺業者に騙され、知らぬ間に自分の土地が詐欺業者の名義に変更されてしまいました。詐欺業者の担当者Aは、最初はとても親切に田中さんの身の回りの世話をしたり、相談に乗ったりしていましたので、田中さんは、すっかりAを信用してしまいました。

ある日、Aから「田中さん、持っている北海道の土地を売ってくれないか。」と言われたので、承諾し、売買契約書などの大量の書類に押印をしました。田中さんはAをとても信用していたので、言われるがままに大量の書類に署名押印してしまいました。

程なくして、田中さんはAに連絡を取ろうと試みましたが、詐欺業者の電話番号は通じなくなっており、Aの携帯電話番号が変わっていて連絡が取れなくなってしまいました。ここで初めてAに騙されたことに気づきました。なんと北海道の土地を売ったと思っていたその大量の契約書類の中には、横浜市の土地を1万円で売るという契約書も含まれており、書類上は、田中さんは、詐欺業者に横浜市の土地を売ったことになっていたのです。もちろん田中さんは、そんなことは、一切認識していませんでした。

田中さんは、弁護士に依頼し、自宅の土地の登記名義がどうなっているかを調べたところ、詐欺業者は、既に横浜市の土地を転売しており、「田中さん⇒詐欺業者⇒鈴木さん(一般個人の方)」に名義が移っていたのです。しかも、詐欺業者は既に会社を畳んでおり、担当者のAも行方不明になっていました。

その後、弁護士の交渉が実り、田中さんは、鈴木さんとの間で和解が成立し、名義を自分に戻して貰う約束を取り付けました。

当プラザの提案&お手伝い

田中さんと現在の登記名義人の鈴木さんとの間には、売買(買い取る)や、贈与(タダでもらう)があったわけではないので、「売買」や「贈与」という理由で名義を変更することはできません。安易に「売買」や「贈与」を理由に鈴木さんから田中さんに名義変更をしてしまうと、田中さんに不動産取得税や贈与税が課せられたり、将来田中さんがその土地を売却した時の所得税がかかったりして、田中さんに不利になってしまいます。

そこで、当プラザが田中さんの弁護士に提案したのは、「真正な登記名義の回復」という理由で所有権移転登記を行い、登記名義を田中さんに戻すというものでした。

「真正な登記名義の回復」とは、何らかの理由で法律上有効な売買や贈与があったわけでもないのに変わってしまった登記名義を元の所有者に回復するという不動産登記上の特殊な方法です。田中さんは詐欺業者に騙され、土地の名義を変えられたため、登記名義を変えられても法律上土地の所有権は田中さんから詐欺業者には移転していません。
このため、詐欺業者から土地を買った鈴木さんも登記名義は詐欺業者から鈴木さんに変わっても法律上鈴木さんは、所有権は取得していなかったことになります。当プラザはここに着目し、租税リスクを回避した上で、登記名義を田中さんに戻すことにしました。

結果

「真正な登記名義の回復」は、売買や贈与といった本来の不動産手続きとは異なる特殊な方法ですので、法務局にて認められるには、要件が結構厳しいです。当プラザは、文献を調べたり、法務局と打合せを重ね、無事田中さんに登記名義を戻すことが出来ました。

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