行方が知れない相続人がいる場合

たとえ長期間行方不明であっても、法定相続人である以上、その人を無視して、他の相続人だけで遺産分割協議や手続きをすることはできません

父が亡くなり、自分と弟が相続をするはずだが、弟は長い間行方が知れずで連絡も取れない…共同相続人である弟がいなくては、父の口座の解約など、遺産の処分ができない!そのようなケースではどのようにすればいいのでしょう。

 

 

住所や居所から居なくなり、容易に戻らない行方不明の人(不在者)の財産管理について、家庭裁判所に不在者財産管理人を選任してもらうことができます。不在者財産管理人は、裁判所の許可を得ることで、不在者の代わりに遺産分割協議などを行うことができるのです。

 

 

不在者本人からすれば、言わば勝手に財産を管理されるわけですから、それを許可する裁判所の手続きは、厳格なものになっています。申立ての書類として戸籍謄本や附票だけでなく、本人が不在であることを証明する資料や、財産に関する資料なども必要です。書類提出後、裁判所による審理を経て、不在者財産管理人が選任されます。

 

 

不在者財産管理人はその名の通り、不在者の財産を管理する立場にあります。不在者の財産を調査し、目録にまとめ、管理報告書を作成し、定期的に裁判所へ報告しなければなりません。また、不在者財産管理人には、勝手に財産を処分する権限はありません。不動産を売却したり、遺産分割協議を行うには、前提として裁判所へ「権限外行為許可」の手続きをとる必要があります。

この権限外行為許可を得ることで、ようやく不在者の帰りを待たずに遺産分割協議をすることができるのです。

 

 

なお、目的である遺産分割協議を終えても、不在者財産管理人としての業務は続きます。

〇不在者が帰還する

〇失踪宣告(長期間にわたり行方が知れない人を、法律上死亡したとみなす制度)

〇管理すべき不在者の財産が無くなる

といった事由が発生するまで、責任をもって財産の管理と、裁判所への報告を行う義務を負うことになります。

 

 

トラスティ藤沢司法事務所のおまかせパッケージ

 

行方不明者を交えた相続の手続きは特に複雑で、相続手続きが完了した後も不在者財産管理人の業務が残ります。専門家のアドバイスとサポートが間に入ることで、遺産分割の協議をスムーズに行うことができ、また、不在者財産管理人候補者としてご指名いただくこともできます。

 

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相続手続おまかせパッケージ(遺産整理業務)の料金

相続手続きまるごとお任せプラン

相続財産額 サポート内容 サポート料金
2000万円 未満
  • 1.相続人調査および確認(4名まで)
  • 2.相続関係説明図作成
  • 3.相続財産調査(不動産、預貯金等)
  • 4.相続方法に関するアドバイス
  • 5.遺産分割協議書作成
  • 6.法務局への不動産登記(1件2筆まで)
  • 7.預貯金等の解約・名義変更(2口座まで)
176,000円~
4000万円 未満 上記1~7と同様 211,000円~
6000万円 未満 上記1~7と同様 256,000円~
8000万円 未満 上記1~7と同様 301,000円~
1億円 未満 上記1~7と同様 346,000円~

 

※相続人調査、相続財産確認及び財産目録作成、相続関係図の作成、遺産分割協議書の作成、相続登記申請、不動産登記簿謄本取得、預貯金等の解約・名義変更

 

 

行方不明の相続人を含む相続のお手伝いの事例

 

    • 状況

      • 日ごろお付き合いのある不動産業者さんから、お父様が亡くなり、一部の相続人と連絡が取れず困っている方がいる、とご相談を頂きました。お父様の四人の子供のうち、長男には二人の孫が居ました。長男はすでに亡くなっていたため、残ったきょうだい三人と、長男の孫二人が法定相続人となります。この孫二人(残ったきょうだい三人から見て甥にあたります)が、20年以上も顔を見ておらず、住所もわからないとのこと。相続人が揃わず、お父様から相続した土地を売却することができない状況でした。
    • 司法書士の提案&お手伝い
      • さっそく戸籍を調査し、住民票を取得しましたが、住民票に記載の住所にも現在はお住まいでないことがわかりました。郵便物も「あて所に尋ねあたりません」と戻ってきてしまい、それ以上の追跡は不可能だったため、不在者財産管理人の選任をご提案しました。
    •  結果

      • 申立書類の準備中、探していた甥から相談者様へ連絡が入ったため、実際の申立てには至りませんでしたが、連絡のとれた甥二人を含め、全員で遺産分割協議と相続手続きに進むことができました

この記事を担当した司法書士

トラスティ藤沢司法事務所

代表

山脇和実

保有資格

司法書士、宅地建物取引士

専門分野

相続・遺言・生前対策・民事信託・不動産売買

経歴

司法書士事務所での10年の経験を経て独立し、トラスティ藤沢司法事務所の代表を務める。「相続は、亡くなった方の思いを推し量ろう」、「相続は、和をもって尊しとなすが大事」、「完全無欠な平等は不可能、遺産分けは互譲が必要」をモットーに、依頼者の内にある悩み要望を推し量り、顧客満足に繋がるよう努めている。また、勤務時代を含めて担当した相続・売買案件は3000件以上に上り、相談者からの信頼も厚い。


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